かみかみセンサーの商品化
日陶科学
知り合いの医薬材料業者(伊那科学器械店さん)に相談し、名古屋の日陶科学という医療用具を開発している会社を紹介してもらいました。日陶科学の山田社長は私の願いや思いを理解してくれて、商品開発に向けて努力することを約束してくれました。
そして、発案者の私と開発者の高田先生、伊那科学器械店の酒井社長、日陶科学の山田社長、技術開発部の小林さん・西尾さんの6名で「かみかみセンサー」開発に向けてプロジェクトを立ち上げ、1年3カ月をかけて取り組みました。
年間30回を超える打ち合わせは勤務時間外の午後6時から8時頃まで行われ、山田社長は試作品を何度も改良し、その度に子ども達に付けては装置の調整を行いました。開発会議は子ども達や先生方、保護者の意見も取り入れながら進められましたが、なかなか思うようにいかず、失敗は実に29回にも及びました。しかし、誰一人として諦める者はなく、30回目にしてやっと商品化の目処がつきました。この間に行った開発会議は30回以上にも及びましたが、同じ目標に向かって全員で努力することはとても楽しく、決して苦にはならなりませんでした。
知り合いの医薬材料業者(伊那科学器械店さん)に相談し、名古屋の日陶科学という医療用具を開発している会社を紹介してもらいました。日陶科学の山田社長は私の願いや思いを理解してくれて、商品開発に向けて努力することを約束してくれました。
そして、発案者の私と開発者の高田先生、伊那科学器械店の酒井社長、日陶科学の山田社長、技術開発部の小林さん・西尾さんの6名で「かみかみセンサー」開発に向けてプロジェクトを立ち上げ、1年3カ月をかけて取り組みました。
年間30回を超える打ち合わせは勤務時間外の午後6時から8時頃まで行われ、山田社長は試作品を何度も改良し、その度に子ども達に付けては装置の調整を行いました。開発会議は子ども達や先生方、保護者の意見も取り入れながら進められましたが、なかなか思うようにいかず、失敗は実に29回にも及びました。しかし、誰一人として諦める者はなく、30回目にしてやっと商品化の目処がつきました。この間に行った開発会議は30回以上にも及びましたが、同じ目標に向かって全員で努力することはとても楽しく、決して苦にはならなりませんでした。
かみかみセンサー
平成20年7月、ついに「かみかみセンサー」が誕生しました。一口30回噛むごとに音がなり、一食あたり1000回の咀嚼を達成すると「こどもの世界」のメロディーが流れる仕組みです。
色は清潔感のあるスカイブルーにして、形は子ども達の意見を取り入れて魚にし、とりわけ安全で衛生的であることを第一に考慮しました。
名前は咀嚼回数目標の1000回とセンサーを掛けて「かみかみセンサー」とし、大人も子どもも使えるようにSサイズとMサイズを作り、どんな顔の大きさにも対応できるようにしました。こうして開発された商品は、現在全国で販売されています。
商品化された「かみかみセンサー」の導入
平成20年度から喬木第二小学校で「よく噛む活動」に全校で取り組むことになり、商品化されたばかりの「かみかみセンサー」10台を使って給食における咀嚼回数の測定を開始しました。
喬木第二小学校の子ども達の咀嚼回数は、平均で約1260回/25分でした。赤穂南小学校に比べると150回ほど少ないのですが、装置を付けると咀嚼の意識が高くなることは同じであり、目標の1000回以上は噛んでいることがわかりました。
学校が変わって給食センターが違っても、計測装置を付けた時の給食における咀嚼回数と時間、そして子ども達の感想は同じであると認識できました。
測定結果から見えてきた新たな発見
咀嚼回数の測定を通し、咀嚼回数以外に見えてきたことがあります。それは食べ方に問題があったり、食べる姿勢が悪かったりすると「かみかみセンサー」がカウントしないということです。食べ方の問題点としては、一口の量が極端に少ない、牛のように横噛みをしている、前歯で小さく噛んでいる等があげられました。この他肥満の児童は一口の量が多い傾向があることや、鼻呼吸ができない児童はうまく噛めず、食べるのに時間がかかることもわかりました。
平成20年7月、ついに「かみかみセンサー」が誕生しました。一口30回噛むごとに音がなり、一食あたり1000回の咀嚼を達成すると「こどもの世界」のメロディーが流れる仕組みです。
色は清潔感のあるスカイブルーにして、形は子ども達の意見を取り入れて魚にし、とりわけ安全で衛生的であることを第一に考慮しました。
名前は咀嚼回数目標の1000回とセンサーを掛けて「かみかみセンサー」とし、大人も子どもも使えるようにSサイズとMサイズを作り、どんな顔の大きさにも対応できるようにしました。こうして開発された商品は、現在全国で販売されています。
商品化された「かみかみセンサー」の導入
平成20年度から喬木第二小学校で「よく噛む活動」に全校で取り組むことになり、商品化されたばかりの「かみかみセンサー」10台を使って給食における咀嚼回数の測定を開始しました。
喬木第二小学校の子ども達の咀嚼回数は、平均で約1260回/25分でした。赤穂南小学校に比べると150回ほど少ないのですが、装置を付けると咀嚼の意識が高くなることは同じであり、目標の1000回以上は噛んでいることがわかりました。
学校が変わって給食センターが違っても、計測装置を付けた時の給食における咀嚼回数と時間、そして子ども達の感想は同じであると認識できました。
測定結果から見えてきた新たな発見
咀嚼回数の測定を通し、咀嚼回数以外に見えてきたことがあります。それは食べ方に問題があったり、食べる姿勢が悪かったりすると「かみかみセンサー」がカウントしないということです。食べ方の問題点としては、一口の量が極端に少ない、牛のように横噛みをしている、前歯で小さく噛んでいる等があげられました。この他肥満の児童は一口の量が多い傾向があることや、鼻呼吸ができない児童はうまく噛めず、食べるのに時間がかかることもわかりました。
姿勢の問題点としては、
体が机やイスと平行ではない、
背もたれに寄りかかりすぎ背骨がまっすぐでない、
イスから足が横に出ている、
肘をついて食べる、片方の手を机の下に入れて食べる
等があることがわかりました。そこでこれらを改善するために、学校給食の中で個人指導した他、家庭でも食べ方の改善や、鼻呼吸のトレーニング等をするよう保護者にお願いしました。その結果、問題点が解消され、正しい姿勢でよく噛んで食べられるようになってきた児童もいるなど、学校と家庭が連携して指導することの大切さを痛感しました。
食べ方は子ども達の成長に関わる大事な問題であり、姿勢は咀嚼機能とも深い関係があるため、食事のマナーの指導として食育の中の大切な指導内容になると考えられます。学校医や学校歯科医と相談しながら指導を進めていくことが必要です。
活動の広がり
長野県歯科医師会では、平成20年度より「かみかみセンサー」を使った活動を全県の小学校に呼びかけています。これに賛同した11校が子ども達の給食の咀嚼回数を測定し、よく噛むことの啓発をしています。
平成21年度は喬木村内の保育園や小学校で、22年度は喬木中学校でも測定し中学生の実態もわかってきました。学校ばかりでなく喬木村の方々にも知ってもらおうと平成22年2月の「ふるさとづくりフォーラム」において「かみかみセンサー」の体験コーナーを作り、よく噛むことを村民にも発信しました。このような経緯をふまえて、教育委員会では平成22年度に「かみかみセンサー」を50台購入してくれて、今後は保育園・小学校・中学校と連携して指導をしていくことになりました。せっかく買ってもらった「かみかみセンサー」を継続して使ってもらえるように、村内在住の方に「かみかみボランティア」をお願いし、活動を支えてくださるよう組織づくりを教育委員会にお願いしました。平成23年2月の給食週間には「かみかみボランティア」の方に手伝っていただき、喬木第二小学校の児童全員の測定を行っていました。
また下伊那郡内の小学校数校からも「測定したい」という問い合わせがあり、少しずつ他校にも「よく噛む活動」が広がってきています。
給食における咀嚼回数測定の成果
給食における咀嚼回数測定の成果として次のことがわかってきました。
1.咀嚼の意識や習慣が身についてきた
2.早く食べて遊びに行く児童がいなくなった
3.先生方の給食に対する意識改革がなされた
(給食開始時間が厳守・給食時間を5分延長)
4.給食の残飯が減った
5.よく噛むことが子どもから家庭・地域へと広まった
6.肥満予防指導に役立った
7.食べ方の個人指導ができるようになった
体が机やイスと平行ではない、
背もたれに寄りかかりすぎ背骨がまっすぐでない、
イスから足が横に出ている、
肘をついて食べる、片方の手を机の下に入れて食べる
等があることがわかりました。そこでこれらを改善するために、学校給食の中で個人指導した他、家庭でも食べ方の改善や、鼻呼吸のトレーニング等をするよう保護者にお願いしました。その結果、問題点が解消され、正しい姿勢でよく噛んで食べられるようになってきた児童もいるなど、学校と家庭が連携して指導することの大切さを痛感しました。
食べ方は子ども達の成長に関わる大事な問題であり、姿勢は咀嚼機能とも深い関係があるため、食事のマナーの指導として食育の中の大切な指導内容になると考えられます。学校医や学校歯科医と相談しながら指導を進めていくことが必要です。
活動の広がり
長野県歯科医師会では、平成20年度より「かみかみセンサー」を使った活動を全県の小学校に呼びかけています。これに賛同した11校が子ども達の給食の咀嚼回数を測定し、よく噛むことの啓発をしています。
平成21年度は喬木村内の保育園や小学校で、22年度は喬木中学校でも測定し中学生の実態もわかってきました。学校ばかりでなく喬木村の方々にも知ってもらおうと平成22年2月の「ふるさとづくりフォーラム」において「かみかみセンサー」の体験コーナーを作り、よく噛むことを村民にも発信しました。このような経緯をふまえて、教育委員会では平成22年度に「かみかみセンサー」を50台購入してくれて、今後は保育園・小学校・中学校と連携して指導をしていくことになりました。せっかく買ってもらった「かみかみセンサー」を継続して使ってもらえるように、村内在住の方に「かみかみボランティア」をお願いし、活動を支えてくださるよう組織づくりを教育委員会にお願いしました。平成23年2月の給食週間には「かみかみボランティア」の方に手伝っていただき、喬木第二小学校の児童全員の測定を行っていました。
また下伊那郡内の小学校数校からも「測定したい」という問い合わせがあり、少しずつ他校にも「よく噛む活動」が広がってきています。
給食における咀嚼回数測定の成果
給食における咀嚼回数測定の成果として次のことがわかってきました。
1.咀嚼の意識や習慣が身についてきた
2.早く食べて遊びに行く児童がいなくなった
3.先生方の給食に対する意識改革がなされた
(給食開始時間が厳守・給食時間を5分延長)
4.給食の残飯が減った
5.よく噛むことが子どもから家庭・地域へと広まった
6.肥満予防指導に役立った
7.食べ方の個人指導ができるようになった